散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

スケアクロウ

道化のように、または案山子のようだとひたすらに戯けてみせる、人生の苦難をユーモアで乗り越えようとする男の悲哀と、その末路に打ちひしがれる思い。愚かな敗残者たちを見つめる寛容さがゆえに、尚のこと救われない。まさしくニューシネマ的なアンハッピーエンドにしても、『真夜中のカーボーイ』と並んでまったく相容れない、だからこそ忘れがたい感情に襲われる。


☆2.9