散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ブリット

スタイリッシュなタイトルバックから、ニューシネマ的なエンディングに至る隅々にまで行き届いた男の美学に酔いしれる。わかるヤツにはわかる、心理描写で繋ぐドキュメンタリータッチに、ガンアクション、カーアクションの映像的快楽がリアリズムの先進で響き合う。ラロ・シフリンのジャズスコアに乗せて、サンフランシスコのアップダウンを激走するマスタングのエンジン音をサウンドトラックに加え、マックィーンのハードボイルドはかつてない臨場感にあふれる。

ダーティハリー』への影響はもちろんのこと、個人的には『ロング・グッドバイ』に同じにおいを感じた。


☆3.8