散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

カット/オフ

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ドイツのB級ホラーかくらいの軽い気持ちで見始めたら、これがなかなかに神経をやられるサイコスリラーの掘り出し物。長尺120分超えにも耐えうる一級のエンターテインメント。

「ミレニアム」や「特捜部Q」シリーズといった北欧ミステリーの傑作群とも通じるダークな語り口は、やはり凍てつくヨーロッパの長い冬を思わせるところ。
さらに検死官の視点を借りれば、避けられない人体のグロテスク。暗澹たる現実の不条理が刻み込まれる。


☆4.0