セックス、ドラッグ、ロックンロール……フラワー・ムーブメントに極まれる恍惚の誘い。“いちご”のように甘く、打ち上げ花火のようにド派手に、そして儚く散る、一夜の夢のように。まるで終わらない学園祭、モラトリアムを最大源に引き伸ばしたカウンター・カルチャーという名の全世界的な祭り。街は彼らのダンスホール、歌い踊る恋人たちを逆光の陽が眩しく美しく照らしている。暴力と悲鳴とサイレンの轟音さえも甘美に思える革命の季節──。
嗚呼、いちご白書をもう一度。
僕の経験し得ない若者の時代を、あなたは若かりし日々とただ振り返る。
☆3.4