散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ドント・ウォーリー・ダーリン

異様なほど清潔で整然とした古き良きアメリカ的風景。その窒息しそうなほどの家父長的世界観に、今作が『ステップフォード・ワイフ』の現代オマージュであることは容易に察せられる。そして、“ビクトリー計画”なる目論みが、MAGAあるいはQアノン的な幻想に辟易とするものであることも。近年では『アンテベラム』にも通じる、自由への闘争。自由からの逃走を図る人間の本質的な欲望との相克は、フェミニズム的視点から政治的党派性にも及ぶ。


☆3.4