散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

地球最後の男 オメガマン

リチャード・マシスン同原作、ウィル・スミス版『アイ・アム・レジェンド』のようなサバイバルホラーを期待するとやや肩透かしを食らう。60年代のカウンターカルチャー公民権運動の流れを汲み、文明批判を滲ませるディストピア映画。

とりわけKKKの三角頭巾、白塗りの黒人、そして異人種間のラブシーンと、人種問題の露骨なメタファーは、『猿の惑星』に続きチャールトン・ヘストンの政治的信念を反映する。後年、保守派の代表格へと回るそのイメージとの相違も興味深く。


☆3.1