散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

僕のワンダフル・ライフ

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まだあたたかい愛犬を腕に抱いて歩いた帰り道、黄色い小さなチョウチョがひらひらと、涙を横切りそして飛んでいった。
天国でも転生でもいい、奇跡とか運命だとかっていう優しい嘘を心より信じた。彼女の来世が安らぎと愛に満ち溢れたものであることを願った。

RIP...
精一杯の愛をこめて。

一年は365日を共にし、その一歩一歩に彼女の存在を確かめながら過ごした12年という月日の記憶、身体に染みついた感覚、日常のすべてに漂う彼女の残り香を拾い集めて暮らしていきたい。これからも、君の“音楽”にずっと耳をすませていたい──。
忘れることで終わりを迎えるものならば、永遠の静寂に、ぬぐいきれない悔恨もすべて愛おしく思う。相変わらずも、想うばかりの拙い愛を最期の日まで全うしたい。それだけが生きる“意味”だったから。ぼくにできるたった一つのことだから。だから、どうか、もう少しだけ、一緒にいてはくれないかい。


☆4.3