散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

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『ローグ・ワン』に続く監督交代劇に見舞われながらも、しかし作品全体に漂うオプティミスティックな空気感は後任のロン・ハワードジョージ・ルーカスの盟友であり、他のクリエイター陣のような“父子”の関係に縛られていないことにその所以があると思われる。

古典的なストーリテリングも、その映画的な運動、エモーションがツイストの効いたクライマックスへと続き、一本の冒険活劇として自立している点において、ディズニー傘下のシリーズとしては異色、むしろ最もスムーズな旧三部作への応答とさえ感じさせる。
数々のオマージュを散りばめながらもファンムービーにはなりえない関係性ゆえ。とてもスターウォーズらしくも、その呪縛からは自由、対等であることこそが良くも悪くも今作の軽さに繋がっているのではないだろうか。

はぐれ者たちの共闘、虐げられし者たちの反乱。王道を辿るアウトロームービーに乗れないわけもなく。然らば、キーラのその後に想いを馳せる。


☆3.7