散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

名探偵ピカチュウ

f:id:eigaseikatsu:20200524211314p:plain

プロローグを経て、ピジョンと共に滑空し、原っぱに駆けるケンタウロスを見下ろすオープニングショットの高鳴りは、あの『ジュラシック・パーク』で“生きた”ブラキオサウルスを目の当たりにした時のそれと匹敵する──と言ってしまうのも、それが童心に抱いた夢そのものに違いなかったから。

コンテンツが故郷である僕らの時代の、最後にして最大のジャパンクール。今や800種を超えるらしいポケモンの世界に、151匹の名前が基礎教養だったあの頃を思う。人生でそう何度もないノスタルジーと、さらなるロマンの共存。これこそが正真正銘の、夢の実写化──その夢が、他でもない自分たちのものであった喜び。


☆3.7