ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」が今にも流れ出しそうなドラムマシンからぶつ切りに、ムーディーでジャジーなサクソフォンの音色へと繋がれるBGMと合わせて、躁的なカメラワークによるカーアクションと、ボンド気取りのプレイボーイの美女漁りを見せつけられるオープニングから。前時代的な、『007』的なダンディズムにはどうしても閉口せざるを得ないし、その白髪混じりのジャン=ポール・ベルモンドのドタバタっぷりにもちょっと幻滅しちゃう。同じ、おしゃべりな“ピエロさん”でも、あの『気狂いピエロ』のそれとはまるで違う道化っぷりに、ただただ哀しくなってしまった。
『ラ・ブーム』のヴィックのその後を思わせるような、18歳のソフィー・マルソーの危うげな魅力をただただ複雑な感情で見守るばかり。
☆2.8