散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

スティーヴン・キング 痩せゆく男

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痩せこけた身体でいえば『マシニスト』のクリスチャン・ベイル。“ジプシーの呪い”といえばサム・ライミの『スペル』を思い浮かべたりもするが……濃霧より浮かび上がるトム・ホランドフィルムの文字にニヤリ。これとて忘れがたいホラーの一品に違いないとの確信を得るオープニング。

そして、エンディング。
人を呪わば穴二つ──といったモラルテールで纏められればむしろ救われるところ。不正義のまかり通る社会に因果の道理もありゃあせん。人は醜く肥え太り、業を深めていくばかり。
不穏に始まり、不穏に終わる。


☆3.3