散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

地球の静止する日

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未知への好奇心。
無知への誠実さ。

それらつまり理性的な態度で異文化を乗り越えられるならば、平和という概念もいつかは実現するやもしれぬ。しかし現実は、力と力による均衡、あるいは侵略による統治の成れの果て。大いなる力の庇護にある、つまりは大いなる恐怖の支配下にあり続ける人類史。神であれ、核であれ。自ら高次の存在を生み出し、その知性、科学技術をもってすれば得られるはずの自由も、なぜか手放そうと躍起になるマチズモの論理。そして拡散する憎悪、疑心に包まれる世界は滅びの道をゆく。実に理不尽な知的生命体。語義矛盾も甚だしい、臆病な猿たちの縄張り争いである。まことに、猿の惑星である。


☆3.0