散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

フリクリ

f:id:eigaseikatsu:20190905042832p:plain

青い芥子の花びらが風もなく揺れてたら──。

それは、いつか失くしてしまったはずの情景が鮮烈に蘇るビートに、連なるメロディ。さわれないその記憶。だけど偽物じゃないその光。街色の蜃気楼が鍵だらけのこの部屋に広がっていく、アンチパセティックな郷愁と──レモンスカッシュ、なっちゃんチェリオの甘味、UCCブラック無糖の苦味を口に含ませて──あの頃の初期衝動が再び。音楽という、ロックンロールというエレクトリックな怪物。黒い翼の天使、あるいはFoolでCoolな道化師。いずれにせよ、私だけの神様との再会。色あせないキッドナップミュージックのリバイバル

「ONE LIFE」
「ハイブリッド レインボウ」
「Little Busters」
「CRAZY SUNSHINE」
「Blues Drive Monster」
「カーニバル」
「Funny Bunny」
「Last Dinosaur」
「I think I can」
「Ride on shooting star」

それは、黒々と溜めこまれた焦燥。真っ赤にエレクトする欲動。溢れちゃう……リビドーの、暴発するカオスの乱射。爆発する芸術として。虚構も現実もウソもホントも一緒くたに、悩めるままに躍らせるロックンロールと共鳴する荒唐無稽なアニメーションの躍動。音楽とストーリーとアニメーションの三位一体が謳いあげるティーンエイジ・ギア、フルスロットル。青い欲望(ハート)に火をつけて。たとえ世界の全部を敵に回そうとも、全部の悲しみを引き受けようとも、キミとキスして笑いころげる。終わらない日常の、エヴァーグリーンに見た景色。

キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を選んで
走ってきた

一言一句、忘れてなんかなかったっスよ。


☆4.2

Funny Bunny

Funny Bunny

  • provided courtesy of iTunes