散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

バーチャル・レボリューション

f:id:eigaseikatsu:20190420051530p:plain

曰く、“ブレードランナー 2047”(by 高橋ヨシキ)。

星の数ほど存在する『ブレードランナー』のヘタな模造品の一つに過ぎないが、その世界観への健気な“アコガレ”と“がんばり”には可愛げさえ感じさせる、たしかに特筆に値する出来栄え。
概して言えば『マトリックス』とのハイブリッド。仮想世界のヴィジュアルには押井守の『アヴァロン』を想起したりもした。

そしてまさか、大作では望み得ない子供じみた結末には、映画“コネクト”としてのカタルシスを禁じ得ないものがある。

際限ない自由に恐れをなして逃走し、人生を人の手に委ねる敗残者の群れ。人生の意味を大いなる物語に託すべく、システムの奴隷に甘んじる我々に同情の余地などないことを。


☆3.3