芸術性と商業性の折り合いをつけるために、“奇妙”と“普通”の間で収めることを良しとせず、より説得力のある“奇妙”を目指す。その作家主義は誰の目にも明らか。にもかかわらず、観客の反応を人一倍気にするレフンの素顔。
自ら設定するアンビバレントに引き裂かれ、そんな仕事のストレスを家庭に持ち込む夫はなんだか子どもじみて……とは妻のカメラに浮かび上がる眼差し。そして愛娘の励まし──「別に世界が終わるわけでもなし、たかが映画だよ」とのお言葉を肝に銘じておくべきは我々観客も同じだろう。
☆3.1
(2019/01/07)