父や母も絶対ではない、一人の人間であることを突き付けられる瞬間。
最も幸福な儀式で、非日常の演劇的空間にこそ探られる本性。
触れないようにやり過ごしてきた齟齬をこんな時なのに、ではなく、こんな時だからこそ埋めようと努力すべき機会。
揺れる手持ちカメラがありがちなホームドラマのその裏側、現実的な家族のカタチに迫るホームビデオ。
家族の問題児はクエスションを与える存在。誰よりも家族という関係に実像を願った者のアテンション。
分かり合えない絶望と、それでも切っても切れない縁、この場合希望との間で、平穏が保たれる距離感を測っていくしかない。
いずれ訪れて然るべき、巣立ちの日。
☆Review
(2016/08/24)