散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

続・激突!/カージャック

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このカクカクした何となく口ずさみたくなる邦題であるが、前作『激突』とは無関係の、スピルバーグ劇場用第一作。原題は“シュガーランド・エキスプレス”。

養育権を取り上げられた女は夫を脱獄させ、赤ん坊のいるシュガーランドへ。
警官を人質にとったカージャックはあまりに稚拙な、無計画な珍道中。
無軌道な男女の逃避行かと思いきや、とびきり無邪気でキュートなカップルは、同情や共感を呼び、テキサス中の注目を集めて人気者に。
野次馬には喝采を浴び、警察、メディアと巻き込んでの大騒動に発展。
されば、行き着くところ、子どもの足掻きを大の大人は圧殺してしまう。

一級のコメディエンヌであったゴールディ・ホーンが、眩しい夕日に瞬間覗かせる哀感の表情が一際切ない。

スピルバーグも始まりはニューシネマだった。


☆Review

(2016/08/22)