散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

キック・アス

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鮮烈なニューヒロインの登場に忘れがちだが、涙なくして見られない復讐譚じゃないか。
生を受けたその日に宿命を背負わされた少女は、狂気に満ちた半生に方をつけるべく、敵のアジトへ乗り込む。戦うべき理由は彼女にある。
葛藤の末、“正しき義”を再点火させ、助太刀するキックアスくんは、紛れもなくこの物語のヒーロー。ヒットガールは、救われる。

残酷描写と過激なスラングによるインモラルな味付けも楽しいが、パロディに甘んじない真にスーパーヒーロームービー足らしめる、勘所を抑えたマシュー・ヴォーンの確かな手腕。 
ヒーローたちが名を名乗る登場シーンの高鳴り。そして、夕日を背にもう一つの名を伝えるラストシーンのコントラストが、きちんと“ベタな”ドラマになっている。

“Me? I’m Hit-Girl. …That’s Big Daddy.”

新世紀の、“殺し屋”ヒロイン誕生。ろくでもないジャンルムービーに出演し続けたニコラス・ケイジが、ついに当たり役を引いたのも嬉しい。


☆Review

(2016/08/18)

Bad Reputation

Bad Reputation

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