散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

仕立て屋の恋

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「愛さないで」と、懇願される愛ならば。
ただ見つめていることさえ許されない恋ならば。破滅の末路を知りながら、その時の訪れを待つのみ。
怒りには転じない。疎外され続けた孤独な魂は、自己完結のロマンスを夢視る。
せめて悲恋を演じることで、日陰の人生に有終の美を仕立てる。

「笑うだろうが、君を少しも恨んでないよ。ただ、死ぬほどせつないだけだ。でも構わない。君は喜びをくれた」


☆Review

(2016/08/16)