散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

八日目

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“現実”の日々に追われ、妻と子どもたちに見放されたアリーの前に現れるのは、ダウン症の青年ジョルジュ。

さて。ダウン症の青年に“天使”の役目を負託してしまったことで、純粋無垢を押し付け、それこそ差別、偏見の眼差しに陥ってはいないだろうか。
ジョルジュが幻想を持ち込んで生きているのは、あまりに辛い現実ゆえ。拒絶され続けた愛の避難所。皆が忘れてしまう童心を失わずにいられる特別な存在だからではない。
違う世界に生きてきた者同士が“障害”を越境して獲得した掛け替えのない友情を、希望として描くべきでなかったか。

チョコレートは、ビターな後口がずっと残っている。


☆Review

(2016/07/15)